アピシウス(フランス料理/有楽町)
フレンチの王道を行くグランメゾン

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久しぶりの訪問

この階段を降りたのは、もうかれこれ20年以上前になるだろうか。
その当時は2009年に他界された高橋シェフが全盛期の時代である。
どの皿にも勢いがあり、大きな感銘を受けた。

特に印象に残っているのは鴨のローストだ。
この頃のトゥール・ダルジャンと比較しても火の通しやソースの洗練さが勝っていたと記憶している。確か、以前の訪問は12月。ふと店頭のメニューに目を配ると鴨があるではないか。

久しぶりの鴨との再会に期待に胸を膨らませてに店内へ。

以前と変わらずロダンの彫刻がお出迎えしてくれる。
そして、シャガールの絵画など、グランメゾンならでは瀟洒な美術品が並ぶ。

当時はバブル期ということもあり、成金的な印象があったが、このレストランが紡いだ時間がそれを解消し、いまでは調和している様に思えた。

店内は席間にゆとりがあり、ゆったりと時間が流れている。

シャンパン

食前酒と共に運ばれてくるオリーブ

オリーブの粒が大きく、ふっくらと柔らかい。アンチョビが入っているのだが、優しい塩加減で軽やかな塩気が心地いい。これは癖になって歯止めが効かない。

勿論、シャンパンとの相性は文句なし。
こちらはスペイン産のオリーブで、言えば販売もしてくれるようだ。

メニューは前菜と肉料理を2種類から選択するスタイルなのだが、珍しく迷うことなく決定!

フレンチの王道をいく料理の数々

まずは、アミューズ。
カブのポタージュと鱒のフリット。

カブのスープはまろやかな口当たりで優しい味わい。
一方、鱒のフリットは衣が薄く、表面はサクッとした食感を残し、パプリカのソースとの相性がいい。コースメニューの中にいくつかフリットのメニューがあったが、恐らくシェフの得意な技法なのだろう。

アピシウスの伝統的な鵞鳥のフォアグラのテリーヌ
シェーブルと虎豆、ドライフルーツのサラダを添えて

これだけ質が高いフォアグラは久しぶりだ。
そのままで頂くとねっとりとコクのある味わいが口中に広がる。

フォアグラに合わせて供されたのが、ブリオッシュ

バターをたっぷりと含んだブリオッシュとは相性が抜群にいい。
時には付け合せの虎豆やほどよい酸味のシェーブルと共に。更に散りばめらたナッツ類と合わせたりと色々な味の組み合わせが愉しめるので最後まで飽きることがない。
普段、食べるのはかなり早い方だが、このひと皿には随分時間を掛けた。

カナダ産オマール海老のポシェ、仔牛の脛肉と甲殻類のクゥーリ

魚料理は選択肢がない。
前菜 + 魚料理 + 肉料理のコースなのだが、思ったよりもポーションがあるのには驚いた。

オマールの筋肉質な弾力性とジャレ・ド・ヴォーのゼラチン質の食感のコントラストがいい。たっぷりと注がれたブールノワゼットソースはほんのりとリキュールの甘みが感じられる。
フレンチの醍醐味が堪能できるひと皿。

狩猟真鴨のロティ、サルミ風ソース

さあ、鴨である。
かつての印象に残っているイメージとは見た目に異なる。

何とも絶妙な火加減。しっかりと休ませてあるので余計なドリップはない。
噛めば、しっとりと柔らかい鴨肉からジュと共に滋味が溢れる。

合わせたワインはブルゴーニュ

2010年なのでほどよい熟成感が素材とのマリアージュが堪能できる。
サルミソースはマデラー酒?の香りがアクセントとなって奥行きのある味わいを奏でる。

奥にある腿肉がまた違った味わいで野趣あふれる美味しさ。
しっかりと甘味が効いた、マロンのムースがこれまた絶妙な出来栄えで鴨肉との相性がいい。

フロマージュ

ワゴンサービスの中からジンで洗ったイタリア産のブルージン、エポワッス、モンドール、長期熟成のハードタイプのチーズを頂いた。

デセール

こちらもワゴンから。盛り沢山で目移りしてしまう。

マンゴームースとモンブラン

マンゴームースは肉厚の果肉が層をなしていて、ムースの軽やかさとマンゴーの瑞々しさがマッチした逸品。

タルトタタン

こちらは温めてくれるので別皿で供される。酸味、甘味、苦味のバランスが良く、この季節外せないひと皿だ。

左から時計回りにバニラのアイスクリーム、紅玉のソルベ、胡椒のアイスクリーム

どれも作りたてに近いのか、凍ってないところがいい。食感が柔らかく空気もよく含まれているので口の中で自然と溶ける。季節ものでは紅玉のソルベが出色の出来。胡椒?と思って頼んだ胡椒は確かに胡椒のアイスクリームであった。

コーヒー

デザートが終わったところで供された。普通に美味しいがとりたてて驚きもない。

ミニャルディーズ

これでまだまだ終わりではない。
待ち受けていたのはミニャルディーズ。

その中から、クレームブリュレ

カスタードの香ばしさとバニラエッセンスの香りが効いた濃厚なクリームがマッチしていた。

フィナンシェ、トリュフチョコレート、ピスタチオのムーズ

流石にここまで来るとかなり満腹だ。一年分のデザートを食べた感覚である。
それでもどれもおしなべて出来がいいのでぺろりと平らげてしまった。

久しぶりの訪問だったが、威厳があるグランメゾンとして健在であった。
心温まる自然体のサービスも素晴らしい。

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