ディープな空間
駅から露地に入り、亀戸餃子の前を通る。既に30人ほどが並んでいる模様。
更に進むと今度は20人ほどが並んでいるホルモン青木の行列を横目に歩を進める。
そこから目と鼻の先にあるのが亀戸横丁という建物。今回訪問した「つきひ」が入っている。
扉を開けて恐る恐る中に入ると、そこには想像を超える光景が広がっている。建物には見覚えがあったが、単にスナックが入る雑居ビルくらいにしか思っていなかった。
休日だけあって営業しているお店はなく、全体像が掴めないが、かなり奥行きがあり、相当数の飲み屋が所狭しと並んでいて、さしずめ飲み屋のフードコート的な様相を呈している。これはこれで別の意味で楽しそうだ。
更に奥の方に向かって進んでいくと煮干しの香りが鼻孔をくすぐる。その匂いを頼りに更に進んで行くと、そこには先に紹介した2軒のお店よりも長い行列があった。
回転は悪くないのだが、いかんせんこの行列である。
途中、食券を購入。
メニュー
初めてだったので特製中華蕎麦と和え玉+和え玉カスタマイズを。
特製中華蕎麦
結局、日曜日の開店間もない時間に入ってから、席につくまでおよそ70~80分。
席について厨房内を眺めると生おろしにんにくの空き瓶が2つほど置かれていたのが目についた。
カウンターには特に並んでいる様子もないのに何故これがあるのだろうか?
そんな事を考えているうちにラーメンが供された。待ち時間は5分ほどか。
緑味を帯びたドロっとしたスープ。ダークな色彩で見た目からは正直、食欲はそそられない。
そして、天敵である鶏チャーシューがドーンと鎮座している。
まずはスープをひと口。
しっかりと煮干しの味が感じられるが、苦味・えぐ味と言ったマイナス要素は殆ど気にならない。
はっきりした味わいでスープ自体にコクがあって力強い。鶏ではなくとんこつベースによるところが大きいのだろう。
ややグレー味を帯びた麺は細めのストレートで、やや硬めの茹で加減。
パキパキとした食感だが、スープがいい塩梅で絡む。
麺の上に盛られた玉ねぎのみじん切りがシャキシャキとした小気味いい食感を演出してくれる。
天敵である鶏チャーシューは肉そのものに臭みはなく、しっとりとした仕上がり。下味が強くない分、スープの強さが補っている印象だ。その他、玉子の塩梅もいい。
和え玉 + 和え玉カスタマイズ
これだけで十分なひと品だが、トッピングを入れても250円はお得感が高い。
全体をかき混ぜて頂くのだが、マヨネーズは味に大きな変化をもたらすと思い、まずはそれ以外の具材を混ぜて頂いてみることに。
これはこれでしっかりとした味わいでバランスがいい。
半分ほど食べ進めたところでマヨネーズを混ぜる。単にマヨネーズだけではなく、ここにおろしにんにくが
投入されている事を知った。
かなりジャンキーな味わいに変化するのでこれは好き嫌いが分かれるところか。
個人的にはマヨネーズなしで十分に満足がいく。
気さくなご主人
並んでいる時から感じていたのだが、店主はよくお客と喋っている。
最初は単なる知り合いのお客が随分多いのだなと思っていたのだが、席に近づくにつれ必ずしもそうではない事がわかった。
ラーメン店としては珍しい光景だ。こういうお店というと他では、ラーメン二郎三田店のオヤジが体育会の学生と談笑しているくらいしか知らない。
気さくな店主との会話でお客の気持ちがほぐれ、スタッフも和みながら仕事をしているため、いいシナジー効果を生んでいる様だ。