中華茶寮 一華(中国料理/荒川区役所前)
多彩な引き出しとセンスの良さが感じられる軽快な料理

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夜に初訪問

前回、ランチで訪問してから早くも5ヶ月が経過。場所が場所だけになかなか夜には来られなかったが、
ようやくその機会を得た。

お店の入口にはこの日は予約客しか受け付けていないとの札が掛けられているので、夜や週末のランチは前もって予約した方が懸命なようだ。既に予約の段階でおまかせコース4,800円をお願いしていたということもあって、一皿目の料理は直ぐに供された。

ご主人ひとりだけで切り盛りしているので、下準備ができる冷菜などは先行して作っておかないと追いつかないのだろう。

鮎の四川山椒の甘辛煮

いきなり、ガツンとインパクトがある料理だ。
日本でも鮎を山椒を使って甘辛く煮た料理はあるが、それとはまったく異なる。
魚にこだわっているだけあって、鮎そのものが内蔵を含めてまったく臭みがない。

そして何よりソースがいい。しっかりとした味わいながらサラリと軽やかな仕上りで、山椒、紹興酒などが複雑に絡み合って深みがある。

続けて、供されたのはえびせん。油切れがよく、とても軽快。

牛肉のバーベキューソース

所謂、中華料理版サラダ仕立てのローストビーフと言ったところか。
ここでアクセントになっているのが沙茶醤。独特な甲殻類の香りが意外にも牛肉とよくマッチしている。

魚香茄子

一般的に挽肉などが使われたり、ピリ辛に仕上げる事が多いが、敢えて余分な食材は使わず、あくまでもシンプルに茄子だけを醤油と調味料で煮込んでいる。シンプルなだけに逆にごまかしが効かない料理だが、茄子のふっくらとした食感を残した火加減で調味料がちょうどいい塩梅に味が染み込んでいて旨い。

甕出し紹興酒

店主は飲み物まで手が回らないので自然とセルフサービスになる。
最初は右手の冷蔵庫からビールを出し、丁度、この辺りからこちらの紹興酒にスイッチした。

春巻き

ここで点心が2品。まず最初が春巻き。
アツアツの状態なので箸で割ると細かい蒸気が立ち昇る。油切れがよく、皮がパリパリと香ばしい。
出来たてなので当然油戻りもない。具は春雨が多めの構成で、これによって下味が施された他の具材の強さを巧く中和させてくれるのでとても軽やかだ。

イカ団子

2皿目の点心は台湾屋台料理。イカのすり身はふっくらと柔らかい。春巻きとはまったく趣が異なり、同じ揚げ物でも変化が楽しめる。

かつおの刺身

コース料理に刺身が組み込まれているところが面白い。ご主人は毎日豊洲市場に通っているというだけあって、魚には強いこだわりを持っている様だ。この日は今が旬の戻り鰹。脂がよく乗っている。勿論、中華テイストに仕上げていている。

鰆の蒸し物豆鼓ソース

この日のメイン料理がこちら。ふっくらとホクホクに蒸し上がった鰆に豆鼓醤の香りがほどよく絡む。
しっかりと味付けで素材の持ち味を生かしているが、重すぎずほどよい塩梅に仕上げている。

屋台料理

オープンしてまだ3年目なのだが、ひとりでやっているので、毎年何らかのテーマを決めて変化を求めているらしい。今年のテーマは屋台料理ということで、コース料理以外にも家庭料理のメニューが並ぶ。
コースの途中だったが、この中から一品追加した。

大根の漬物入り玉子焼き

こちらは台湾の屋台料理で、ほどよく漬かった大根の醤油漬けが玉子とよくあっていてお酒が進む。

広東腸詰め入り青菜炒め

シンプルな青菜炒めはそれはそれで普通に美味しい料理ではあるが、そこに広東腸詰めを加えるひと工夫が施されているため、香りが高い一皿に仕立てている。

台南担仔麺

締めは台湾屋台料理の麺。すっきりと澄んだスープに肉味噌と香草が香りを添える。麺は低加水のストレート麺。上品な味わいのスープが染みる。

黒ごまプリン

黒ごまの濃厚な香りがしっかりと香る逸品。

芝麻球

出来たてのアツアツ。噛めば崩れてしまうほど柔らかい。

この品数、クオリティを考えたらコスパは極めて高い。
これだけ頂いても重さはまったくなく、料理人として懐の深さが随所に感じられる。

ランチを頂いた時に感じていたポテンシャルよりも更に上を行く出来映えに大満足。
何分、ご主人ひとりだけのお店なのでサービスなどは求めるべくもないが、居心地は悪くない。

この場所でこの料理、まさに雛にも稀な隠れた名店である。

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