いつの間にか
もう彼此、20年振りくらいになるだろうか。久しぶりの訪問である。
当時は藪系の中でも、1,2を争う好印象だったお店。期待を胸に訪問した。お店の前に着くと馴染みのない立派なビルに変貌していた。明らかに当時の面影はない。
店内に入ると所謂、街のお蕎麦屋さん風情の佇まいで外観とギャップがある造り。
メニューは種類が豊富で、それこそ街のお蕎麦屋によくある様なラインナップである。
お酒の値段が少し高いなとは思いつつも、ビールで喉を潤す。
天せいろ
藪系にしてはそばの量はまだある方か。そばの色は藪系というよりも更科系に近く白っぽい。
果たして、当時もこんな感じであっただろうか?不思議と当時の記憶が蘇らない。
そばは少し柔らかめの茹で加減でそばの香りもさほど強くない。
つゆは藪系だけに辛口ではあるものの、バランス的に、どうもしっくりとこない。
続いては、天ぷら。海老が2尾というスタイルは当時と変わっていないようだ。
その姿にしばし絶句。衣が厚ぼったく、明らかに衣に使われている玉子の量が多い。
近隣を含め、そばの良店が増えた事もあって、自分の感覚が変わってしまったのか、わからないが、当時とは随分と変わってしまった印象を受けた。
かつては何度も足を運んだにも関わらず、結局、最後まで当時の記憶が蘇らないという不思議な現象に見舞われた結果となってしまった。