以前から気になっていたお店
清澄白河の駅から歩いて10分ほど歩いた住宅街にお店を構えている。外観からは2フロアの様に見受けられたが、店舗は1階部分のみ。2階と思われた部分は吹き抜けに。
料理は基本的に5,000円のコースとふかひれ料理が入る10,000円のコースの2種類のみ。
予約の段階でどちらのコースにするかを選択。今回、お願いしたのは前者のコース。
着席したカウンターは準備万端!美しくセッティングがなされていた。
本日のメニュー
目の前にこの日のメニューが置かれている。
詳細はこんな感じ
・前菜の盛合せ
・カリフラワーと中国ハムのスープ
・ふきのとうの焼売
・ホワイトアスパラ 汲み上げ湯葉と山椒のソース
・牛ホホ肉の豆豉煮込み
前菜一皿目
盛合せ?いや、1種類ずつ丁寧に供される。前菜は全部で3種類。
最初の一品はサラダ仕立ての一品。ビールで軽く喉を潤しているうちに早速運ばれてきた。
ピーナッツオイルで和えられたホタテの上にアスパラ、うるい、ブロッコリースプラウトが彩る。
見た目華やか且つ、爽やかな滑り出し。穏やかな酸味とほどよい塩加減が丁度いい。
前菜二皿目
次は来店が確認されてから仕上げの火を入れ始める自家製のチャーシュー。
間合いが良い頃合いで供される。
下ごしらえに1週間ほど老酒や五香粉などを使用した秘伝のタレにに漬け込んでから焼き上げるだけに、香りが秀逸!複雑なスパイスの香りと中国醤油の甘み、漬け込まれた豚肉の旨味が溶け出され、その全てをまた吸い込んで、それが絶妙の火加減で焼かれているのだから堪らない。特に脂身がトロトロ。
前菜三皿目
裏ごしされた豆腐と刻んだザーサイを和えたものにホタルイカのペーストと燻製のホタルイカが乗る。
ペーストといい、ホタルイカといい、素材特有の苦味やえぐみはまったく感じられず、バランス良く仕上がっていた。
カリフラワーと中国ハムのスープ
中国ハムのスープと聞いて透明なスープに具材としてカリフラワーが入っているものだと想像していたのだが、これは見事に裏切られた。クリーミーな見た目とは裏腹にサラリとした舌ざわりでカリフラワーの優しい香りと雲南ハムの旨味がじんわりと込み上げてくる。
こちらのお店ではワインと合わせるのがおすすめのスタイルだという事でここからはワインにスイッチ。
個人的には郷に入っては郷に従えで、その国のお酒がベストだとは思うのだが、今回はおすすめに従うことに。まずは次の二皿に合わせるのに薦められたロゼ。
ふきのとうの焼売
中華では珍しい食材だが、えぐみはなく、上手く下処理がされている。ジューシーでとても美味しい。
ホワイトアスパラ 汲み上げ湯葉と山椒のソースのソース
我が家でも季節にはホワイトアスパラを楽しみにしているが、工程はちょっと違う。粉をはたいて油通ししているので、カリっとした食感と瑞々しさを両方楽しめる。
外側を味が濃い山椒のソース、ホワイトアスパラの周りを汲み上げ湯葉のソースが彩る。
まずは各々を別々に、そして最後は混ぜて一緒に頂いた。シェフのセンスの良さが光る一品。
牛ホホ肉の豆豉煮込み
豆豉の香りでほのかに中華テイストを残しているが、フレンチに近いお皿。ホホ肉は驚くほどやわらかく、味もしっかりと浸透していた。
こちらのの料理では赤ワインを頂いたが、これなら違和感がない。
コース料理には〆めが無いのでここからはアラカルトで注文する事に。
シェフの気まぐれチャーハン
お好みにより色々なバリエーションがある様だ。ここは初めてという事もありスタンダードなスタイルのチャーハンをお願いした。
しらすに大葉、そして仕上げにトビコを軽く混ぜて仕上げる。これがプツプツと小気味良い口当たりで驚かされる。火の通し加減も秀逸。しらすとトビコ効果で塩気もほどが良い。
ここで打ち止めとも思ったのだが、折角なので麺類も食べたくなる。
という事でこちらを選択。
黄ニラの醤油麺
なによりスープが美味しい。黄ニラオイル、ネギ油の香りがほどスープに旨味を後押ししている。担々麵を注文する方が多かったが、〆と考えると次回もこちらを注文してしまいそう。
全体を通して大津シェフのセンスが光る。厨房には一人で立っているにも関わらず、実に小気味いいテンポ料理を出してくれるところが凄い。皿間の待ち時間がほとんどなく、その点のストレスは皆無だ。お客により入店時間が異なるので、同じ料理を作っている訳ではないのだから、綿密な下ごしらえと手際の良さに感服する。
店主ご自慢の、一番力を入れた(?)というトイレはアメニティも充実していて一見の価値がある。