ほそ川の流れを組むお店
浅草通りの西浅草一丁目交差点から一本入った路地にさりげなくお店を構える。塗り壁と白い暖簾が目印。
日曜日の開店時間に到着すると8人ほどの列。この日は他に選択肢もなかったのでそのまま列に加わった。
諸々の顛末は後回しにして、まずは料理について。
席につき、蕎麦前を楽しむべくビールを注文。
おつまみはてんぷらがメイン。店内はカウンターとテーブル席があるのだが、カウンターはてんぷら屋さんさながらに目の前で揚げてくれるという造りなので、メニューのバリエーションも豊富。
その中から、まず最初に頂いたのは水茄子。
水気の多いこの茄子にてんぷらとの相性は必ずしもいいとは感じられなかったが、揚げ方や衣はいい塩梅。
てんぷら以外にも一品料理もそこそこの品揃え。その中から、煮穴子。
お酒のアテということを考えれば煮汁が薄味ながら穴子の質もよくきれいな仕上がり。わさびに本わさびを使用しているところも好感が持てる。
続いて、アスパラのてんぷら。こちらもいい火加減で素材の良さが感じられ、ホクホクと香ばしい。一見、高価に感じられたがこの素材ならいたしかないところ。
せいろ
最初に薬味とそばつゆが供されたので、まずはつゆをそのまま頂く。色はやや薄めでほそ川譲りの味わい。甘さは強くなくどちらかというとストイックなイメージ。薬味はねぎと本わさび。
他のお店でも感じたことだが、5月になるとそばの香りはだいぶ薄れるものの旨味がありポテンシャルの高さが感じられる。そばつゆとの相性もよくこれなら新そばの季節に食べてみたいと思わせる。料理だけなら百名店に入ってもいいくらいのレベル。
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オペレーションは要改善
これが正直言って酷い。まずは行列の捌き方。先客が出てきてもなかなかお店に入れようとしない。どうやら店主がコントロールしている様だ。一度に注文されても捌ききれないのだろうが、どうせなら座って待ってもらおうという発想はないものと思われる。
並び順で次の順番にとなった時、先客がお店を後にしてから入店できたのは10分以上も経過してからだ。呼ばれるまでにあまりに時間が掛かるので片付けが大変なら手伝いましょうかとお店に入ろうかと思ったほど。並んでから店内に入りメニューの写真を撮るまでに要した時間は77分。
先程、煮穴子を紹介したが、実は最初穴子の煮こごりを注文した。注文後、10分ほど経過してから店員さんが来て、時間が掛かるのでお出しできませんと言う。煮穴子なら出せるということで渋々煮穴子に変更した次第。それを告げるのに10分も掛かるのは理解に苦しむ。
それ以上に理解に苦しむのはアスパラのてんぷら。最初の水茄子のてんぷらも少し待ったもののタイミングとしては特に不満はなかった。食べ終わったくらいのタイミングで次のアスパラが供されるのかと思ったが、何と出てきたのは水茄子から30分も経過してから。因みに煮穴子にしても水茄子から20分後と決して早くはない。
そんなこんなで結局、並んでからお店を後にするまで140分ほど。なので週末並ぶときは覚悟が必要。
お店は店主とアシスタントとサービスの方が各1名。それほどキャパオーバーという感じはしない。カウンター席ではなかったので何がボトルネックになっているかはわからなかったが、ここまでくると存続の危機さえ感じられるので、いまのシステムを続けるなら抜本的な改善が必要。
折角、料理がいいだけに勿体ない。
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