ミステリアス
水産仲卸売場棟の飲食店舗に入り、中央の一番奥にあるのがこちらのお店。
普段、入口にはロールカーテンが下ろされていて、中の様子が伺い知れない。
ただ鏡面状に反射した漆黒の看板が静かに光を放つ。
あまりに目立たなかったので市場オープン日にはその存在すら気が付かなかった。
営業は火曜と土曜日の週2回のみ。
完全予約制となっている。現在は火曜日が9,000円、土曜日が10,000円のコース料理のみ。
そして店先には予約状況が書かれている。
ただ、予約方法は書かれていないのでどうやって予約するのかはわからない。
まあ、空きがあるなら直接直談判すればいいのだろう、くらいに思っていた。
調べてみると
平日、営業していない日があったのでなぜだろうと思い、調べてみると店主のブログを発見。営業日の事や予約の方法などが書かれていた。
そのURLがこちら=> 高はし三代目のブログマーク2
ブログを拝見してもわからない事はあるが、色々な事が氷解した。
更に見ていると11月29日に木曜日初となる営業を開始するとある。
それもこの日はコースではなく、単品での営業だとの事。
前日、電話を掛けても繋がらなかったので取り敢えず出掛けてみることに。
書かれている時間の10分前。店の前には誰も並んでない。特に満席とも書かれてはいないが、既に予約で埋まったのだろうか?
時間までごくわずかだったので不安をよそに並んでみたのだが、結局、最後まで後続がないままである。それでも時間になるとスルスルとロールカーテンが開けらられ、何事もなく中に通された。この日ばかりは特に予約は必要なかったようだ。来てみて大正解!
穴子丼
席につくと直ぐにお新香が供された。
続いておひたし。
写真の見た目以上にしっかりと量がある。ちゃんとお浸しになっている。野菜の味も力強い。
おひたしを食べ終わったタイミングを見計らって穴子丼が登場。
肉厚な穴子がたっぷりと入る。これは食べるまでもなく美味しいことがわかる。
飴色のいい色艶。しばし見とれていまう。
箸を落とすと何の抵抗もなくスッと切れるほど柔らかい。
身はふっくらと柔らかく、出汁の旨味がしっかりと浸透している。それも上品で優しい味わい。ご飯の量もしっかりとあるので、かなり食べごたえがある。
色々とわかった事
回転後はロールカーテンは開けっ放しだったが、仲々、お客が来ない。
他に1名の方が後から来ただけでほぼ貸し切り状態だった。
たまに扉が開いたかと思うと知り合いが「今日やってたの?」と挨拶に顔を出すくらいだったので、おかけげで色々とお話を伺えた。
週2回の営業というのは、昨年、大病を患った事に起因するようだ。
厨房の勝手にも少しずつ慣れたのでようやく木曜日も営業日に加えようとこの日、始運転をしてみたと言うことらしい。
また、コース料理というスタイルについて聞いてみた。
あんこうの定食をやったとしても6,500円くらいは取らなくてはやっていけない。それならば、折角いい魚を仕入れられるルートがあるので、旬の色々な魚をコース料理という形態でゆっくりと愉しんで貰える空間にしたいという思いから、このスタイルにしているのだと言う。
ロールカーテンをする事についても外の喧騒を忘れてゆっくりと愉しんで欲しいというご主人のお客への心遣いなのであろう。
土曜日はすぐに席が埋まってしまうようなので狭き門だが、今度はお酒を頂きながらゆっくりとコースを愉しんでみたい。