街場の中華屋さん
和食続きだったので気分一新、中華料理のお店に出掛けた。
雑居ビルの一階にあり、店の入口が少し奥まっているので外からはまったく目立たない。
所謂、街場の中華料理店の趣で店内はカウンターのみ。席数は10席にも満たない。
更にお昼時の営業はないから、貴重な一夜の食事として選択するには少々勇気がいるところだ。それでも、どうしても食べてみたい料理があったのでスケジュールに組み込んだ。
メニューは安いが
黒板に書かれたメニューはどれも1,000円未満。
実に良心的な価格設定である。と同時に何の変哲もない料理が並ぶ。ゴーヤチャンプルがちょっと異彩を放っているくらいか。
食べてみたかった料理
まずはサッポロラガーで喉を潤しつつ餃子を注文
小ぶりの餃子がひと皿に8個。皮が薄く、噛めばシャキッとした歯ごたえが小気味いい。実に軽やかな餃子で、スッと胃袋に収まっていく。後でご主人に伺ったところそれが狙いなんだとか。キチンとしたコンセプトを持って作られているとは驚いた。
薬味にも独特のこだわりが。あまりの軽さと旨さにもう一皿追加した。
どうしても食べてみたかった料理
それはレバニラ炒め。メニューには無かったが恐る恐る聞いてみると出来るとのこと。
いまだかつてこの様な容姿のレバニラ炒めがあっただろうか。
無駄を極限までに排除した結果、レバーとニラのみに辿り着いたのだろう。
一番の特徴は牛のレバーを使っている点。勿論、臭味はなく豚に比べて味に深みがある。
材料がない日は提供しないのだそうだ。
これは衝撃の逸品!
メニューの中から
ここまでは大当たり!自ずと食べ手のテンションが上がる。
当初の予定ではこれくらいにしておいて、もう一軒はしごする事を考えていたが、このまま腰を落ち着ける事に。
黒板に書かれたメニューから酢豚を注文。
この値段なので黒酢ではなく、ケチャップ味のごく普通の酢豚であっても文句は言えない。
中華鍋から盛り付けられる時に黒酢の何とも言えない芳香が鼻孔をくすぐる。
供されたのは黒酢の酢豚。とても香りが鮮烈なのでご主人に聞くと、いままで色々と使ってみたが、中国産のとある黒酢に行き着いたとのこと。
具材にもひと工夫あり、ゴーヤやオクラなど旬の野菜をうまく取り入れている。どの野菜も突出することなく見事に調和している。
豚肉は衣を薄く纏っているのでゴワゴワしておらず、全体のとろみ加減が実にいい塩梅。
最後にご主人のおすすめのひと品を
ここまで頂いてかなりお腹も満たされてきた。かと言ってご飯や麺類だとちょっとやり過ぎな感じがしたのでおまかせで一品作って頂いたのが野菜うま煮。
全体のバランスが良く優しい味わい。
ご主人の人柄が感じられる。
全てご主人ひとりで切り盛りしているので、混雑時は待たされる覚悟が必要。
次回、訪問時はリピート必至の一軒である。