旅行に行こうと思い立ったのが遅かったので開いている旅館が数えるほどしかなかった。
もう少しキレイな旅館もあったのだが、料理の評価がいまひとつ。
結局、予約が取れる旅館の中で料理がいいと多くの人の書き込みがあったこちらの旅館に決めた。
昔ながらの古い旅館で食事は部屋ではなく食堂で頂く。
テーブルの上には既に料理がセットされていて、いかにも旅館の料理と言った風情の料理が並ぶ。
前菜は笹〆小笹寿司、ナマコ酢、錦玉子、白和え。どれも手が掛かっていて味付けも悪くない。
お造りは赤海老、サーモン、まぐろ、鯛、白魚。特に鯛や白魚がいい。
煮物には蟹新田巻、焼き竹の子、大根、蕗、人参が入る。出汁の旨味が感じられる混ざり気のない上品な仕上がり。なるほど、料理が評判いいのも頷ける。
小鉢の蓋を開けてみると梅うどんが。目に鮮やかで箸休めにいい。
焼き物にはブリの照焼と有頭海老。魚の素材自体はごく普通だが、味付け自体のバランスはいい。
そして、肉料理が2品。ひとつ目が豚ロース生姜鍋塩仕立て。旅館にありがちな伊勢海老なんかより無難でよっぽど気が効いている。
もうひとつがA5国産黒毛和牛のステーキ。脂が多すぎずいい塩梅の赤身肉。これをお好みでポン酢、岩塩、わさび醤油で頂く。肉そのものの質も上々だ。
別に有頭海老の塩焼きが別皿で供された。かなり盛り沢山の内容で更にごはんと味噌汁に香の物が付く。
そして最後にデザートまで付いてかなりのボリューム。
料理も気の利いたものが多く、期待以上で旅館の値段を考えればかなり頑張っている感が強い。