この地に来たらまずはこちらのお店へ
湯河原に頻頻と訪れる理由の一つは、こちらの酒屋さんの存在が大きい。
御主人や女将さんから得た、お宿やレストランの情報がどれだけ役に立った事か、枚挙にいとまがない。
今回は2泊だったので勿論、両日にわたって訪問した。
初日は宿に到着してひと風呂浴びた後、真っ先に足を運んだ。
お目当てはほぼ原価で提供してくれる有料試飲である。
風呂上がりで喉はカラカラ!まずはビールを一杯。
選べるお酒は3種類。地元の「隆」「久保田の無濾過生原酒」「久保田の萬寿」と久保田の飲み比べをメインに組み立ててみた。
肴には自家製の味噌と塩辛を供してくれる。
久保田 無濾過生原酒は目が醒める一杯
無濾過生原酒は萬寿と同じ原材料である五百万石を50%まで精米を行い、上槽までは同じ工程を踏むのだが、その後の工程が異なる。萬寿は濾過⇒火入れ⇒貯蔵⇒調合精製をするのに対して、無濾過生原酒は濾過をせず、一切の熱処理を加えないで瓶詰めされる。
両者がまったくの別物といっていい味わいなのが興味深い。
特に無濾過生原酒は味わいが濃厚で麹の香りが高い。純米大吟醸らしく喉を通り過ぎるとすっきりと切れる。
黒龍の大吟醸の飲み比べ
もう一方は「美田」「黒龍の龍」「黒龍の火いら寿」をチョイス。黒龍の飲み比べがメイン。
本来、にごりは苦手なのだが、美田だけは別。舌触りは滑らか且つ濃厚なのにキレが良い。
最近の黒龍は、味のベクトルが自分の好みと少し離れて来たように感じていたのだが、こうして飲み比べてみると、火いら寿の清冽な旨さが際立ち、とても勉強になる。それでも今回は久保田・無濾過生原酒のインパクトがあまりにも強かった。
そして2日目
「久保田の紅寿」「初亀のからからべっぴん」
「喜楽長の三方良し」
「美丈夫の鄙」
更に特別に「初亀の中汲み大吟醸」を口開けで頂いた。
この中では、初亀の中汲み大吟醸が別格の美味しさ。美麗極まりないお酒。
今回は2日間にわたり、普段中々飲む事が出来ないお酒も頂き、貴重な体験だった。