人気のランチ店
権之助坂の三角州地帯からほんの少し脇道入ったところに店を構えている。
民芸調の造りの店内はカウンター、テーブル席、座敷とかなりのキャパシティがあるが、お昼時はいつも大勢のお客でごった返している。女性客や年配の方の姿が多いのも特徴だ。
お昼時は定番の丼ものを中心に曜日ごとに設定された丼物や鶏料理を供してくれる。
因みにこちらのお店では重箱で使用している訳ではないが、料理名はすべて〇〇重である。
蓋付きの漆器を使っているからであろうか。
定番は次の3種類。
きじ焼重
たっぷりの腿肉に玉子焼きが2切れ付いてくる。
肉は柔らかくて旨味十分。ご飯の隅々に至るまでタレがいきわっているので最後まで味にムラがない。
タレが若干甘めなのが気にならないではないが、それがかえって女性客にも受ける秘密なのだろう。
玉子焼きはしっとりとしていて出汁の旨味が感じられる。
親子重
玉子がほどよい火加減であると同時に玉子の質の高さがう窺える。
ダシは甘味が下支えとなっているものの突出している訳ではなくバランスがいい。
そぼろ重
そぼろ重と言われるとどうしても肉度が弱いというイメージが先行してしまう。先の2品と比べると弁解の余地がない。ましてやそぼろは挽肉だ。どう見たって肉度だけで言うと貧相なことこの上ない。
しかし、侮るなかれ。そぼろというと甘辛い濃いめの味付けで肉は水分が飛んでポロポロとしたものを想像してしまう。しかし、こちらのそぼろはそうではない。
しっとりと優しい味わいに意表をつかれる。更に玉子が彩を添える。白身のみほどよい柔らかさに火を通し、中央には生の黄身が鎮座する。そして、最後に玉子掛けご飯にして頂くという飛び道具があるのだ。
他にも生姜焼き重、チキン南蛮など枚挙にいとまがない。
コスパが高い秀逸なランチが食べられる一軒。