佇まいから良店の予感
内幸町と虎ノ門のちょうど中間くらいの場所にお店を構えている。大通り沿いに面しているが、控えめでさりげない佇まい。外観からも良店の予感がひしひしと伝わってくる。
店内はカウンターとテーブル席がわずかあるばかりの小さな造り。書物に囲まれているので圧迫感があるのだが不思議と落ち着ける雰囲気。カウンターにはレコードプレイヤーが置かれ、Jazzが静かに流れている。
ホットコーヒーは全部で5種類。ここはメニューの先頭を飾るこいめを注文。
こいめ
深煎りの豆を18g使用したコーヒーで、手元がよく見えなかったが、ネルドリップで淹れているのだろう。遠くから見ても丁寧な所作が窺える。
カップに顔を近づけるとビターな香りが立ち昇る。抽出温度は低めで80度未満。それも75度~78度くらいではないだろうか。温度感としてはカフェドランブルのコーヒーに近い。苦味が主であるがそればかりではなくバランスよくまとまった一杯だ。
メニューの表記や使用しているポットから、もしやと思って調べてみるとご主人は大坊に通い詰めた方の様でそれも納得。
喫茶店百名店が登場してから折りに触れ、未開拓のお店に訪問しているが、これはというお店は皆無に近い。今はないもかや大坊と言った過去の名店と比べても遜色ないほど質の高い一軒。
ご主人の物腰の柔らかい接客も魅力。