アルゼンチンタンゴが流れるお店
この界隈は若い時分、よく通っていて喫茶店巡りがお決まりのコースだった。
近隣は喫茶店百名店に選出されているお店が多いが、当時通ったお店でコーヒーが美味しいと思えるお店はごくわずか。独特な味のある雰囲気のお店が多いが、コーヒーそのものに魅力を感じらるお店は少ない。
その雰囲気という観点ではこの界隈では一番のお気に入りで、当時、一番よく足を運んでいた。魅力とも言えるのが店内に流れるアルゼンチンタンゴ。それも最新録音というよりは50年代よりも古い録音と思われるものが殆どで、これが薄暗い雰囲気とあいまって、ジャズ喫茶にも似た雰囲気を醸していた。ジャンルこそ違うがエディット・ピアフの世界観にも近いものを感じる。何よりアコーディオンの音に癒やされた。
外観こそ当時と変わらないが、久しぶりに入る店内の雰囲気は女性スタッフが多く、明るい空気感が漂う。ただ当時の内装は低いテーブルにソファだったように記憶していたが、調べてみたものの当時の写真は見つけられなかったので記憶違いなのかも知れない。
外観は当時と変わった印象はなく、珈琲と世界のビールを標榜している。昨今の地ビールブームの影響もあってかビールへの軸足がより強くなったようで、店内に飾られたビールの空き瓶のオブジェからも見て取れる。
ミロンガブレンド
器そのものが立派になった。カップに顔を近づけるとなかなかのいい香り。コーヒーが美味しかった印象はなかったが、明らかに当時よりも格段にレベルアップしている。苦味と酸味のバランスがよく、ほどよいビター感があって、素直に美味しい。
こうなると食事メニューの牛すじカレーが俄然気になってくる。