シンプルな店構え
昭和通りを秋葉原方面に進み、御徒町一丁目の交差点を左折して少し入った場所にひっそりと佇んでいる。上野・御徒町方面に出掛けても偶然通り掛かるような場所ではないので、わざわざ出掛ける事になるが、
その価値はある。
白い暖簾のシンプルな店構えで、オフィスビルが建ち並ぶ近隣の景観を損ねる事がなく溶け込んでいる。
メニューを見ると鶏塩をベースにしたシンプルなメニュー構成だ。
カウンターと4人掛けのテーブルが1つあるのみの簡素な造りだが、清潔感があって好感が持てる。
夫婦だけで切り盛りしているので目が届く範囲の丁度いいキャパシティだ。
どことなく、かつて駿河台下にあった「ピカ一」をどことなく彷彿とさせる。
鶏ぶた塩拉麺
ここはメニューの先頭を飾るこちらのひと品を選択。
14時近い時間帯だったこともあって、空いていたのでわずか5分ほどで供された。
バランス良く調和している透明度が高い黄金色のスープ。シンプルなだけにごまかしが効かない。
浅草開花楼の中細タイプの麺は加水少なめで、自己主張することなくスープを下支えしている。
具材のチャーシューと鶏チャーシューは注文のたびに切り分ける。味の染み具合もちょうど良い。
かねてより巷の笹身を使った鶏チャーシューには懐疑的であるが、こちらの鶏チャーシューは
腿肉を使い、豚と同様に醤油ベースの味付けをしているので、違和感なく頂ける。
ただし、仕上げにバーナーで炙る点に賛否が分かれるところかも知れない。
他にも、細切りにした玉ねぎがシャキシャキとした食感でいい合いの手になっている。
鶏ぶた塩タンメン
別の日に行列店に行ってみたものの時間的に微妙だったので裏を返すことに。
前回は作っている様子はあまり見えなかったが、今回はよく見える席に座ることができた。
メニューには辛いタレを加えた料理もあったが、毛色が違う鶏ぶた塩タンメンを注文。
まずはフライパンで野菜を炒め、全体に軽く油が回ったところで塩コショウして、スープを投入して煮込んでいく。続いて、塩だれを加えて更に煮込む。完成までの間、頻繁に味見をしながら、その間、幾度となく塩や塩だれを加えながら丁寧に味を調整していく。そして、およそ10分ほどで着丼。
少し白く濁ったスープは塩拉麺に比べるとこってりとしているが、サラリとした飲み口でくどすぎないギリギリの線で仕上がっている。また、頻繁に味見をしていただけあって、塩気もいい塩梅だ。
麺は塩拉麺とは一転、もっちりとした太麺タイプに変わる。少し縮れていることもあって、スープとの絡み具合もいい。かなり温まるので寒い日には選択に迷いそうだ。
それでも、振り返ってもう一度食べたいという思いは前者の方がより強い。
その前に一度、辛いタイプも試してみようか。