さりげない佇まい
権之助坂の傾斜がなだらかになるくらいまで下りると飲食店もまばらになってくる。そんな駅からは少し離れた雑居ビルにお店を構えている。建物の1階にあるにも関わらず奥まった場所にあるため、その存在になかなか気が付かない。目印はこの立て黒板があるのみだからついつい見逃してしまう。
奥に進みとこちらの看板が指し示す方向に入口がある。
お店の前には既に先客がひとり。10分近く待ってようやく店内へ。
店内はカウンターのみの小ぢんまりとしたスペースなので、混雑時は待たされる覚悟が必要だ。
メニューはチキンカレー、キーマカレー、タイ風グリーンカレーのみ。少数精鋭のラインナップである。
これに各種トッピングを付ける事ができる。
チキンカレーを注文。しかし、先客が3名立て続けにチキンカレーを注文したため、もしかしたら残っているかどうかわからないと言う。その際はキーマカレーに変えてくれるようにお願いしたが、何とか大丈夫だということでチキンカレーにありつけた。
トッピングには目玉焼きと野菜を。
注文してからもかなり待たされ、およそ15分ほどで供された。
チキンカレー
トッピングの野菜は脇に添えてあるものだとばかり思っていたが、ルー全体に馴染ませる。これもあって時間が掛かったのだろう。
野菜自体が独特のアクセントを出してくれてこれはこれで美味しいのだが、純粋なチキンカレーの味わいがデフォルメされるのも事実。
全体にスパイスがよく馴染み、丸みを帯びた優しい味わいでクオリティが高い。辛さはそれほど強くないので別途、辛さをプラスくらいが丁度良さそうだ。
また、テーブルに備え付けられたアチャールと福神漬けも秀逸。
ある程度、食べ進んだところで、トロトロの半熟に仕上がった目玉焼きを崩して頂いた。カレーが円やかでコクが出て、いい味変が愉しめるからオススメだ。
ご飯は普通盛りで300g。最初は平然と食べ進めていたものの、意外と満腹感が強く、少し苦しくなるほど。
キーマカレー
この教訓を生かして2回目はご飯を少なめにして貰った。トッピングは目玉焼きのみ。
シンプルながら実にいい見た目である。
チキン同様、全ての味が突出する事なく、バランスよく収まっている。辛さはやや控えめなのもチキンと同様だ。また、ルーそのものがほどよいウェット感を残している。
それにしても、目玉焼きの出来栄えにはいつも感心させられる。
タイ風グリーンカレー
3回目の訪問ではタイ風グリーンカレーを。これで上から順番に注文し、Compした。
行列はなかったが、調理に少し時間が掛かるようで、15分くらいしてようやく供された。
流石にグリーンカレーにはトッピングなしに。
茄子、蓮根、パプリカ、竹の子、プチトマトなどたっぷりと野菜が入っているので、色鮮やかな色彩を放つ。辛さではこのカレーが一番辛い。ココナッツミルクの円やかさの中にも、しっかりとコクがあって、これにシャープな辛さが全体のバランスを整えているといった印象を受けた。
竹の子のシャキシャキ感、なすの柔らかさなど食感の上でもメリハリがあって楽しい。
鶏肉は別にグリルしたものだろうか?しっかりと下味が効いていて、スパイスも香り力強い味付けでとても美味しい。惜しむらくはスプーンしかないため、ひと口で頂かなくてはいけないことである。
カレーは13時を過ぎると無くなってしまうメニューもちらほら散見されるので注意が必要だ。