落ち着いた雰囲気
銀座四丁目の交差点からすずらん通りに入って、およそ1分。右手にある見慣れない新しいビル。
エレベーターで3階で降りると立派な暖簾が出迎えてくれる。
店内は入口から奥にオープンキッチンのカウンターが続き、その奥にはテーブルが広がっている。
モノトーンを基調としたシックな内装。カウンターにはモルトウイスキーが並び、バーさながらの雰囲気だ。
また、テーブルは席間にゆとりがあって寛いで食事が楽しめる。
一昨年末から昨年に掛けて3度、そして今年初めて足を運んだ。
GINZA SIXにもお店を出している様だが、こちらにはまだ訪問した事がない。
昼酒に格好のメニュー
週末、おそば屋さんを訪れる愉しみはお酒抜きでは語れない。
その点、こちらのメニューは酒呑みの琴線に触れる。特にこちらのコースメニュー。
例えば、一番安価なコースだと、4品の前菜とそばがセットになって2,450円。
そばももりやかけではなく、天せいろが選べるところが嬉しい。。
おそば屋さんでつまみを何品か注文する事を考えるとかなりコスパが高いと言える。
お好みお蕎麦セット
まずはビールから。
4品の前菜はこれで一杯やると丁度いいと思わせるような構成になっている。
4品の内訳は左上の高野豆腐と左下の豆腐は定番になっているが、他の2品はその時々で変わる様だ。
高野豆腐は甘さが効いたダシの旨味がよく染み込んでいる。
今回、特筆すべきは右上のじゃがいものくるみだれ。
おそばのメニューにプラス料金でくるみだれというのがあって、以前から気になっていた。
しっかりとした甘さだが、コクがあってとても美味しく、じゃがいもとの相性がいい。
おそばのつけ汁の場合、少し味のベクトルは違うのだろう。
途中から日本酒にスイッチ
日本酒は長野県のお酒が揃う。珍しいチェイサーとして佐久の花の仕込水が供される。
そば
田舎そば風のおそばだが、もそもそしたところがなく、喉越しがいい。
硬めの茹で加減でコシが強く、エッジが効いた切り口だ。
ただし、香りは見た目ほど強くはない。
つゆは前菜と異なり、甘さがなくストイックな濃い口である。
田舎そば風のそばとの相性はいい。
これでわさびが本わさびならいいのだが。
その他のメニュー
こちらは以前頂いた真田コースで前菜は7品になる。
鴨などが加わり華やかになる。
ふんわりとした食感が特徴であまり出汁の香りは効いていない。
玉子の味がダイレクトに感じられる上品な仕上がり。
お酒も利き酒セットがあり、色々なお酒を少量ずつ試すことができる。
おそばでは玉子とじ
玉子の塩梅、ダシの具合もほどよく、温かいおそばも美味しい。
メニューには単品やご飯ものとセットになっている品もある。
さあ、問題の天ぷら
こちらは真田コースを頂いた時の天ぷらである。
どれも衣が厚く、油切れも悪い。
そして、これが今回頂いた天せいろのてんぷら。
右の野菜を見てもわかる通り、やはり衣が厚い。その厚い衣がたっぷりの油を含んでいる。
かき揚げに至っては見た目以上に油を吸っていて、下に敷いている紙が最後には油で染まった。
そこまでのものはあまり経験がない。
他のクオリティが悪くないだけに、とても残念である。
基本から見直した方がいいのではないかと思うほど。奮起に期待したい。
この天ぷらだけでお客が離れていきそうだし、天ぷらが前菜を上回る事ができれば、
きっと行列ができるお店になるのだろう。