かつて双葉、本家ぽん太と並んで上野とんかつ御三家と言われたお店。その中でも、こちらは唯一のひれかつの専門店。松坂屋近くの路地にひっそりと佇む。昔から変わらぬ店構え。
当時から3,000円近い値段でかなり高値な印象だったが、現在の3,300円は最近の値上げラッシュを考えるとむしろ良心的にすら思える。他にも、串かつやひと口かつなども用意されている様だ。当時、これらの料理を扱っていたかは記憶が定かではない。
この日はカウンター席に案内された。奥や2階にも席があるのでとんかつ屋としてはかなりのキャパシティだと言える。
注文を受けると職人が高温の油にかつを投入。続いて、低温の油でじっくりと火を通していく。かなり肉厚のため、提供までにそれなりの時間を要する。
揚げ終わると一人の職人がかつを支え、そこにもう一人が包丁を入れる。二人掛かりでカットする姿が何とも面白い。
ひれかつ
衣は薄く肉はかなりの厚さ。付け合せはキャベツのみと至ってシンプルな質実剛健なタイプ。肉は微かにピンク色。
塩はフランス岩塩、スリランカ岩塩、藻塩の三種類用意されている。順番に試してみたところ藻塩が一番相性が良さそうだ。
衣はややウェットだったが、肉はとても柔らかく、肉質の良さを感じさせてくれる。塩で頂いても勿論、美味しいがソースも軽快でこれはこれで悪くない。
味噌汁、漬物、辛子などにも神経が行き届いていて、サービスを含めて当時の印象を遥かに上回る。