特にこれまでの印象が悪かった訳ではないが、不思議と足が遠のいていた。最寄駅の豊洲からは少なく見積もっても15分は掛かる場所にあるというのも理由のひとつ。タイミングさえあえばバスで行くのが賢明だ。
調べて貰うとわかるが、この界隈は北の影響が強いエリアで、そのため一般的な焼肉屋とは少し文化が異なる。その一例が卓上に調味料がないこと。普通なら焼肉のタレやコチュジャンが置かれているが、お願いしない限り出てこない。というのも焼肉はヤンニョムを使ったもみダレなので、その必要がないのである。
この日は3名での訪問したので色々と注文することができた。
チョレギサラダ
普段、口にするチョレギサラダとは異なる。本当は別の料理名ではないだろうか。ドレッシングがやや淡い赤色で軽やかな酸味が心地いい。中に入っているりんごがこの酸味と相まっていいアクセントになっている。油っぽさも感じられないところもいい。
ユッケ
まずは前菜代わりにユッケから。こちらは桜肉を使用したものだが臭みがなく快調な滑り出し。
上タン塩と特上ハラミ塩
タンは肉厚で柔らかく旨味も十分。これに輪をかけて柔らかいのが特上ハラミだ。かなり厚みがあるので火を通すのに時間は掛かるが、塩味の場合、より肉の味わいがよくわかる。
特上ハラミタレ&特撰カルビ
とはいうもののやはりタレに軍配が上がる。通称、ハラミ御殿と言われるお店だけあってこちらのハラミは格別。もみダレも濃すぎず実にいい塩梅なので何かを足したいという気にならない。カルビも勿論、美味しいのだがこれだけのハラミはなかなかお目に掛かれない。因みに左が特上ハラミで右が上ロースになる。
上ロース
むしろカルビよりはこちらの方が個人的には好ましい。漬けダレがくどずぎないのはこちらも同様。
野菜焼き盛り合わせ
焼き野菜にもヤンニョムダレが合わさっている。ただし、肉と違い軽めのもの。じゃがいもとさつまいもと芋類が多い。
締めも3種類をシェアして堪能できた。
冷麺
北と言えば冷麺は外せない。ほどよい酸味で穏やかで優しい味わい。
ユッケジャンクッパ
いかにも出来あい?というお店もあるがちゃんと手作り感があっていい。スープはサラリとした口当たりでしっかりとコクもある。
石焼ビビンバ
肉の存在感が大きい。勿論、存在感だけでなくちゃんといい肉を使用しているので混ぜた後の出来上がりがナムルだけの石焼ビビンバとは一線を画する。
総じてレベルが高く、特に特上ハラミはなかなかお目に掛かれない。
このようなヤンニョムを使用した焼肉がもっと普及してもいいように思う。それが焼肉のタレだと意味がないのだが。