住宅街にひっそりと佇むお店
連休のおそば屋さん巡り第5弾はこちらのお店。
ランチは金曜日のみと営業時間が限られているため、一週間ほど前に予約を入れての訪問。現在は一時間の時間制限が設けられている。
駅からは歩いて15分ほど。地図アプリに従うと、こんな細い路地を通るの?というシーンが度々あってかなり不安になるが間違えることなく到着した。
お店は住宅街の中に忽然と現れる。勿論、周りには飲食店はおろか商店すらない。門をくぐって少し進んだ処に暖簾が掲げられた入口がある。
風情のある一軒家で思ったよりも席は少なく、一度に4組が限界なのでランチでの訪問は狭き門となる。
まずはビールで喉を潤す。
メニューは蕎麦前も充実。最近訪問したお店との比較の意味で同じ様なラインナップを注文。
蕎麦豆腐
茶碗蒸しの様に陶器で固められたもの。そばつゆが張られ、上にはそばの実とわさびが彩る。
割としっかりめで、そばつゆの出汁の香りとよくマッチしている。そばそのものの香りはそれほど強くないが、そばの実がそれを補う格好だ。食感のコントラストもいい。
途中から日本酒に。壁に貼られたメニューを見ると3種類の利き酒セットが。お値段も良心的で、しかも何を選んでもいいというのは嬉しい限り。
選んだのは臥龍梅、〆張鶴の純、醸し人九平次の純米大吟醸。
蕎麦味噌焼き
ほどよくそばの実の食感が感じられ、日本酒が進む。
粗挽き蕎麦がき
こちらはそばつゆではなく、わさび醤油でいただく。もっちりとした食感で、そば粉の旨味が感じられる。
焼海苔が添えられていて、これに巻いて頂くと磯辺焼きの趣きで味変が楽しめる。そばつゆではなく、醤油で頂くのも海苔との相性というのもあるのだろう。蕎麦前で頂いた味噌ともマッチする。
十割蕎麦せいろ
薬味はネギと本わさび。つゆは猪口が白ではないがやや薄めの色合いで出汁の旨味がしっかりとしている。
そばは北海道産。喉越しも上々でもっちりとしたコシのある食感が特徴的。この時期を考えれば香りも十分で旨味のあるおそばでつゆとの相性もいい。
そば湯はそば粉を足して作られた濃厚なタイプ。
そば前も充実していて、静かな時間が流れるいいお店だが、お昼は金曜日のみというのが少し残念。
帰り道は通り道のアオサギがいる公園で森林浴をしながらほろ酔い気分で駅まで辿り着いた。途中のロケーションを含めて非日常感がある。