偶然の出会い
この日、行く予定だったお店が思いのほか混雑していたので諦め、他のお店を目指して歩いていると、ふとこちらの看板が目に留まる。「京風うどん」の文字に心が惹かれた。
ちゃんとした京風うどんを出すお店ならば東京でも流行ると思うのだが、東京で京風うどんのお店を見かけた記憶がほとんどない。折角の出会いなので行ってみることに。
雑居ビルの2階。カウンターとテーブル席で10人も入ればいっぱいになってしまうくらいのキャパシティである。何とか待たずにカウンターに座ることが出来た。
京のきつねうどんセット
メニューを見ると右端の京のきつねうどんセットが目を引く。
きつねうどんにちりめん山椒ご飯、サラダに日替わりのおばんざいの小鉢が付く。
これで1,000円だからなかなか充実した内容だ。
きつねうどんは中央に刻みきつねがふんだんに盛られ、周りを九条ネギが彩る。
まずはそのきつねから。
出汁で煮含まれているのでふっくらとボリューム感がある。甘みをしっかりと効かせた炊き加減なので好みは分かれそうだ。
続いて、つゆを頂く。出汁の旨味がよく出ていて美味しい。
そして、うどん。
京風うどんにしてはそんなに細すぎる事はなく、心持ち細いかなと言った程度で、表面がつるつるとして喉越しがいい。粉の旨味も十分に感じられるいいうどんである。
ちりめん山椒は柔らかく香り高い。こちらはお土産用としても販売しているほどで、かなり質が高い。
食べ進めるときつねの甘みがつゆに溶け出し、折角の出汁の旨味の持ち味を十分に満喫できない様に思えたので、次回は同じきつねでも「お揚げさんを味わう特製きつね」の方がいいのだろうなあ、と思い店を後にした。